ヒルズとベルギービール。そして知多。のお話②
久しぶりの更新になってしまいました。今回はベルギービールのお話。
ベルギービールには数々のビールタイプが存在し細かく分類すると60以上のスタイルカテゴリーに分けることが出来るそうです。60以上ってΣ( ̄。 ̄ノ)ノ奥深し。。
・トラピストビール(修道院内に醸造所を持つトラピスト会の修道院でのみ造られるビール。世界に10箇所しかなく、ベルギーには6箇所。あとはオランダ、イタリア、フランス、アメリカに存在している。が、フランスは醸造はまだ再開していないとのこと。。)
・アビィビール(アビィとは修道院のこと。修道院に伝わるレシピと製造方法を用いて修道院から委託を受けた民間の醸造所が造るビール。)
・フルーツビール(様々なタイプのビールに天然のフルーツを漬け込んだり、フルーツジュースを加えて造られるビール。味わいはフレッシュでフルーティ。)
・ゴールデンエール(美しい黄金色した、比較的アルコール度数が高めのビール。しっかりとしたコク、ほのかなフルーティーさも特徴。)
・レッドビール(ベルギーの西フランダース地方で造られる。熟成には大きなオーク樽が使用され、ユニークな赤い色とフルーティな酸味が特徴のビール)
・セゾンビール(もともとは、ベルギー南部の農家が夏に飲む為に冬に造って貯蔵していたビール。ホップが効いた爽快な飲み心地が特徴のビール。)
・スペシャルビール(上記に該当しない個性溢れるビール。)
日本で爆発的に人気の銘柄はヒューガルデンだと思います。知名度、味、入手しやすさ、どれをとっても間違いないビールかなと。上記のタイプではホワイトビールですね。ホワイトビールといえばヒューガルデンって言っても過言ではないかと。そして私が書きたいのはヒューガルデン、セリス・ホワイトの産みの親ピエール・セリス。名前カッコ良すぎ!!w
ピエール・セリス氏はヒューガルデン村に生まれ牛乳屋さんを営んでいましたが、以前よりビール醸造に興味があったそうです。そしてかなりの専門知識も持っていました。そして父親から借金をし廃業した醸造所を買い取り1965年にホワイトビール造りを始めます。セリス氏は自分の醸造所の名前を「デ・クライス(僧院・修道院)」と名ずけます。1400年代にヒューガルデン村でビールの醸造を始めた修道院に敬意を払ってこの名を付けたそうです。話は遡りますが、15世紀にこの村にべガーデン神父が訪れホワイトビールの醸造を始めます。そしてこの地区にホワイトビールが広まり、1700年代に12の醸造所が存在し、1890年ごろには35の醸造所が存在します。ですが1900年代になるとピルスナービールとの競合、酒税法の引き上げなどで醸造所が減少し、1935年には4箇所。1957年に最後の醸造所も閉鎖となってしまいます。セリス氏はホワイトビールを復活させた偉人でもあるのです。ピエール・セリスさん。心から有難う。
「デ・クライス」のホワイトビールは若者に大流行し、デ・クライス醸造所は大成功を遂げます。
その後、醸造所の火事により再興する為に企業の傘下に入る事になってしまいます。
セリス氏はアメリカに渡り、ブルワリーを設立。セリス・ホワイトの醸造を開始します。
グレート・アメリカン・ビア・フェスティバルで何度もメダルを獲得し成功を収めます。
そして2011年4月9日ピエール・セリス氏は86歳で素晴らしい人生に幕を終えます。
今宵はピエール・セリス氏の功績を称えてヒューガルデン・ホワイトを飲もう。
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